研究課題
環境化学物質は、日常的な曝露レベルであっても、長期曝露によって、ヒトや野生動物に様々な病態を引き起こす。野生動物もヒトと同じく、常に食餌や棲恩環境の汚染を通じて、環境化学物質を生体内に取り込んでいる。そこで、本研究では,「化学物質を起因とする野生動物の病態」について、そめ現状の調査を行うことを目的とした。一方で、残留性汚染物質POPsの分布に国境はなく、その汚染は地球規模で広がっている。特にアフリカでは近年における急激な開発と汚染の進行が懸念されている。そこで、本研究では、野生動物の発癌リスクについて国内における調査はもとより、アフリカについて、初めて汚染物質の実態の把握と、野生動物に対する影響の調査を行うことを目的とした。本年度は、ザンビア、エジプト、ケニア、ガーナなどより試料を採集し、化学物質汚染に関する分析を進めた。ザンビアにおける鉛やガーナにおけるヒ素など、新たな環境汚染の様式を明らかにすることができた。南アフリカでは、DDTの高濃度汚染地区が明らかとなり、今後重点的な調査が必要であることが分かった。一方、化学物質感受性に関する種差の研究について、哺乳類、鳥類の感受性決定因子のクローニングや、アミノ酸配列によるin silico解析を行った。また、魚類や両生類、鳥類、哺乳類の異物代謝排泄機構に寄与する酵素群やその転写調節因子に関する分子生物学的な分析を行い、新規の代謝酵素を報告したほか、代謝物の種差を同定することができた。
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