研究概要 |
本研究では、電流誘起スピンダイナミクスの物理を明らかにするとともに、電流によるスピンの動的制御を利用したスピン能動素子への展開を図ることを目的としている。 この目的を達成するために、以下の項目の研究を行う。 (1) 電流誘起スピンダイナミクスの物理の解明 (2) 電流誘起スピンダイナミクスを利用した能動素子の試作と動作実証 (1)に関しては、バークレイのシンクロトロン施設のX線顕微鏡によって電流によって誘起された磁気コアの旋回運動を実空間・実時間で観測することに成功し、実験結果からパーマロイを流れる電流のスピン分極率を見積もった(Phys. Rev. Lett., 101 (2006) 237203)。 (2)に関しては、磁性ドットとトンネル磁気抵抗素子を組み合わせた3端子素子を作製し、この素子がトランジスタ動作することを実証した(Appl. Phys. Express 1 (2008) 091302)。
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