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2007 年度 実績報告書

養育者-子ども間相互行為における責任の文化的形成

研究課題

研究課題/領域番号 19672002
研究機関京都大学

研究代表者

高田 明  京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (70378826)

キーワード反射 / 責任 / 社会化 / 模倣 / 文化学習
研究概要

本研究の目的は,相互行為における応答の力が基礎となり,子どもと養育者の双方が責任を徐々に発達させると考えて,責任が文化的に形成される仕組みを探求することである.本年度は,まず日本国内において乳幼児がいる家庭の定期訪問を開始した.訪問先ではフィールドノートをとるとともに,ビデオカメラで養育者-乳幼児間の身体的相互行為,初期音声コミュニケーション,やりとり活動,模倣活動に関する映像資料を得ている.映像資料から書き起こしを作成し,さらに注目する行動・状態の分析を進めている.また,上記のデータを用いて研究代表者と研究協力者で定期的にデータセッションを行い,分析の妥当性の検討を行っている.さらに,これまで収集してきたサンの養育者-乳幼児間相互行為のデータを用いて以下の検討を行った.近年の赤ちゃん研究は,母子間相互行為を社会システムが形成される過程だととらえている(Kaye,1982;Tomasello,1999).ここでいう社会システムは,個々のメンバーが相手の行動を予期できることおよび共通の目的をもつことを要件としている.しかし私の調査データによれば,乳児が他者の意図を理解するずっと以前から養育者は乳児を養育活動の枠組みに巻き込もうとしている.乳児は近接する文脈に応答し,その参与の形式は月日を重ねるにつれて質的に変化していく.この見方をとれば,文化は心の中に構築されるシステムではなく,子供と他者が協働して社会的な意味を実現する,行為の組織だといえる.これらの研究成果の一部はアメリカ人類学会,日本発達心理学会,研究代表者が主催した国際シンポジウムMicroethnography of Child Care across Cultures等で発表された.また本研究プロジェクトのホームページおよび調査に参加した乳幼児の保護者に向けた報告書を作成中である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Changing locality and ethnic cohesion among the Sanin Ohangwena, Namibia2007

    • 著者名/発表者名
      Takada, A.
    • 雑誌名

      ASAFAS Special Paper 9

      ページ: 75-90

  • [学会発表] Dancing in a circle: Communicative competence in imitation activity among San children2008

    • 著者名/発表者名
      Takada, A.
    • 学会等名
      the 106th Annual meeting of American Anthropological Association
    • 発表場所
      Washington DC, USA
    • 年月日
      20081128-1202
  • [学会発表] 養育者-乳児間相互行為における注意の管理2008

    • 著者名/発表者名
      高田 明
    • 学会等名
      日本発達心理学会第19回大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20080319-21
  • [学会発表] Underlining pragmatic constraints: Sequential organization of"imitation" activity among the San of the Central Kalahari2008

    • 著者名/発表者名
      Takada, A.
    • 学会等名
      Microethnography of Child Care across Cultures
    • 発表場所
      Kyoto University, Japan
    • 年月日
      2008-03-24
  • [学会発表] 文化学習再考2008

    • 著者名/発表者名
      高田 明
    • 学会等名
      ヒューマンインタラクションの研究と教育:質的研究を中心に
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2008-01-14
  • [図書] 生きる場の人類学:土地と自然の認識・実践・表象過程2008

    • 著者名/発表者名
      高田 明(分担執筆)
    • 総ページ数
      141-183
    • 出版者
      京都大学学術出版会
  • [備考]

    • URL

      http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/africa_division/kyoin/takada01.html

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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