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2007 年度 実績報告書

複数の金属の相乗効果を利用した革新的分子変換反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19675002
研究機関東京大学

研究代表者

西林 仁昭  東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40282579)

キーワード触媒反応 / ルテニウム / 不斉合成 / 窒素固定 / タングステン / アンモニア / 多核錯体 / 複核錯体
研究概要

多核遷移金属錯体内に存在する金属-金属間の相互作用を利用する相乗効果によって特異的な反応性を発現させ、従来の単核金属錯体を用いた時には達成できなかった革新的な新規分子変換反応を開発することを最終目標とする。金属間結合を持つ多核遷移金属錯体上での特異な反応性の発現に関しては多くの研究者がその未知なる可能性について指摘してきたが、実際にその特異な反応性を見出した例は非常に限られている。本研究で得られる研究成果は、従来の概念を打ち破り、多核遷移金属錯体上での特異な分子変換反応が可能であることを示す次世代化学の先駆けと成り得る。具体的な研究課題は次の2つとである。1つ目は「複数の金属の相乗効果を利用する窒素分子の触媒的な分子変換反応の開発」、2つ目は「多核錯体上での有機分子の触媒的な新規分子変換反応の開発」である。
常温常圧の反応条件下で窒素分子をアンモニアへと変換できる窒素固定酵素ニトロゲナーゼの多核構造に着目し、フェロセンに代表されるメタロセンを配位子に有するモリブデン及びタングステン窒素錯体を新規設計・合成し、これらの窒素錯体を用いた窒素分子の触媒的な分子変換反応に挑戦した。
一方、既に開発に成功している硫黄架橋2核ルテニウム錯体を用いた時にのみ特異的に進行する触媒的不斉プロパルギル位置換反応について、その不斉発現の反応機構と反応の適用範囲の検討を詳細に行った。特に、本反応の適用範囲の一般性を広げるために、アルコール、アミン、アミド、チオール、ホスフィンオキシドなどのヘテロ原子求核剤に加えて、オレフィンなどの炭素原子求核剤などを用いた不斉反応系の開発について焦点を絞り詳細な検討を行った。また、ホスフィド架橋2核ルテニウム錯体の合成とその反応性について検討を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Reactions of 1-Cyclopropyl-2-propyn-1-ols with Anilines and Water via Allenylidene Intermediates2007

    • 著者名/発表者名
      Y. Yamauchi, et. al.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 129

      ページ: 5175-5179

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Ruthenium-Catalyzed Enantioselective Propargylation of Aromatic Compounds with Propargylic Alcohols via Allenylidene Intermediates2007

    • 著者名/発表者名
      H. Matsuzawa, et. al.
    • 雑誌名

      Angew. Chem. Int. Ed. 46

      ページ: 6488-6491

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Design and Preparation of a Chiral Ligand Based on a Pseudorotaxane Skeleton2007

    • 著者名/発表者名
      G. Hattori, et. al.
    • 雑誌名

      J. Am. Chem. Soc. 129

      ページ: 12930-12931

    • 査読あり
  • [学会発表] 複核錯体の特性を用いる触媒反応の開発2007

    • 著者名/発表者名
      西林 仁昭
    • 学会等名
      平成19年度後期有機合成化学講習会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-11-21
  • [備考]

    • URL

      http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/nishiba/

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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