本年度は、まず、昨年度に設計を行った筋骨格型ロボットの筋骨格型ヒューマノイドロボットの脚部の機構の試作・開発を行った。軽量化のためリンク部にCFRPパイプを用いた。股関節には3自由度の高精度球面ベアリングを採用し、膝関節1自由度、足首関節2自由度と併せて、人体の骨格配置に極めて近い機構を実現した。また、ヒューマノイドロボットでは駆動する関節の部位によってアクチュエータのストロークや推力、全長などが異なる。昨年度に開発した股関節および膝関節駆動用の4種類のスパイラルモータ8台について、組み立て調整、ギャップセンサの開発、各種センサ調整、制御システムの構築を行った。 また、開発した表面磁石型スパイラルモータの制御モデルの提案を行った。このモデルに基づき、スパイラルモータ固有の電流ベクトル制御を提案した。この制御方式を実機に適用し、応答の検証を行い、電気系のモデルおよび制御の妥当性を確認した。運動系について、モデル化および安定化制御器の提案を行い、基礎検討を行った。具体的には、位置/ギャップの独立制御、および、ゼロパワー制御を提案した。さらに、埋め込み磁石型スパイラルモータの磁気飽和を考慮したモデルを提案した。このモデルを電磁界FEM解析および実験結果と比較し、精度の高いモデルであることを示した。さらに、筋骨格型ロボットの動力学シミュレーションのために、閉リンク機構の計算法の改良を行った。
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