研究概要 |
研究立ち上げにあたり,構造実験研究,大規模数値解析研究を専門とする日米および台湾の研究者との打ち合わせを実施し,次年度以降の具体的問題について検討するとともに,崩壊挙動を含めた構造部材の非線形挙動把握のための予備実験を実施した. 構造物の崩壊挙動を含めた非線形挙動について,同一設計によるRC柱試験体を対象とし,静的正負交番載荷実験・動的正負交番載荷実験を実施した.得られた結果から用いた軸力載荷方式による影響を除去することにより,2回実施した動的載荷実験による荷重-変位関係には大きな差異は見受けられなかった.これはアクチュエータを用いた実験では入力変位履歴の再現性がよいため,構造物の非線形挙動に影響を与える入力の不確定性の問題が除去できているためと考えられる.ただし静的実験に比べて損傷が大きく,動的応答下の鉄筋の引き抜け挙動の影響であると考える. マルチフィジクスハイブリッド実験手法に関し,地盤研究を専門とする日米の研究者との議論に基づき,遠心載荷実験と部材載荷実験との組み合わせに関する検討を開始した. また平成21年度に実施予定である大型震動台実験に関する検討を開始した.世界最大の震動台であるE-ディフェンスにおける橋梁耐震実験結果をもとに震動台上の加速度のばらつきを検討した結果,複数回の実験を実施した場合に比べて遙かに均一な加速度が震動台上で得られていることを確認した.これに基づき,RC柱試験体を対象とした試験体計画を実施している.
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