研究概要 |
構造物の耐震設計の背景となる,動的応答特性の基礎データは,まず実験的手法により求められることになるが,静的実験に比べて動的実験は装置や試験体の制約が多く,定量的評価するための十分な数のデータが得られているとは言えないのが現状である.ただし,土木構造分野においても従来実施されていた静的実験を中心とする体系から,動的挙動・応答を再現しようとする高度な実験体系へと展開してきており,世界最大の振動台E-ディフェンスが稼働を始めたこと,また地理的分散実験が現実的な実験的手法の選択肢となりつつある現在,改めて土木構造の動的挙動を知るための実験的研究を再構築する時期に来ていると考える. 本研究は,既存実験施設を有機的に連携し,「構造物全体の崩壊過程を見極める」,「崩壊過程の動的挙動予測精度を上げる」防災技術向上策を構築することを目的としている. 本研究では,大きく分けて(1)構造物の動的応答特性の定量的評価,(2)共通構造システムの動的応答特性の把握,(3)構造物の内部破壊挙動の把握,の3つのテーマについて研究を行う.
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