合成ペプチドの機能を評価できる寒天培養、及び液体培養を用いたアッセイ系を確立し、ある種の合成ペプチドが茎頂分裂組織のサイズ、活性に影響を与えることを明らかにした。また、in situ MULDI TOF-MS法を開発し、12アミノ酸から成るCLV3ペプチドを直接植物組織から検出し、同定した。CLV3の機能単位である12アミノ酸の化学合成ペプチド(CLV3ペプチド)は、野生型植物体の茎頂分裂粗放と根端分裂組織の縮小をもたらすことから、CLV3遺伝子の過剰発現と同等の効果を持つことが予想される。一方、clvl、clv2突然変異体は、CLV3ペプチドによる茎頂分裂組織の縮小効果に耐性を示し、地上部でCLVlとCLV2がCLV3を受容しているというこれまでの知見を強く支持する結果となった。CLV3ペプチドに耐性を示すサブレッサースクリーニングにより新規の受容体を新たに発見し、CLI1と名付けた。過剰発現の結果、茎頂分裂組織の縮小を誘導したことから、やはり、CLV3シグナル伝達系に関わる因子であることが示唆された。
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