• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

損傷中枢神経回路の再生と可塑性を制御する分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19679007
研究機関大阪大学

研究代表者

山下 俊英  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10301269)

キーワード中枢神経 / 再生 / 脊髄損傷
研究概要

本研究の目的は中枢神経回路の修復機構の動作原理を明らかにすることである。研究代表者はこれまで中枢神経の再生阻害機構の解明を行った結果、中枢神経回路の損傷後に代償性回路が形成され、これが機能回復に寄与していることを見いだした。この発見はこれまでの常識に反して、中枢神経が可塑性のポテンシャルを有していることを示唆している。そこで本研究では神経回路の再構成現象およびその分子メカニズムの解明を行った。具体的には脳損傷の後に運動を制御する皮質脊髄路が軸索枝を出芽し、神経回路をどのように再構成させるかについて解析した。その結果、中枢神経は成体でも可塑性のポテンシャルを有していることが明らかになった。片側脳損傷の後に、健常側の軸索枝は中脳の赤核、橋核、脊髄の各レベルで対側への投射がみられた。さらに当該現象に免疫系の細胞、特にミクログリアが関与していることが明らかになった。ミクログリアを局所的に消失させることで、軸索枝の出芽が消失し、運動機能の改善が見られなくなった。これらの実験により損傷という局所の刺激が空間的に広がり、中枢神経全体に回路の再編をもたらすに至るメカニズムを明らかにするための系を確立することができ、機能回復に寄与する分子を評価することができた。その結果、複数の細胞内シグナル分子が候補タンパク質として浮上した。本研究は、まったく未知である領域において、新たな神経科学分野を創出し、神経再生治療開発への応用が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] BMP inhibition enhances axonal growth and functional recovery after spinal cord injury.2008

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, I., Taniguchi, J., Hata, K., Saeki, N. and Yamashita, T.
    • 雑誌名

      J. Neurochem. (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rapl is involved in the signal transduction of myelin-associated glycoprotein.2008

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi, J., Fujitani, M., Endo, M., Kubo, T., Fujitani, M., Miller, F.D., Kaplan, D.R. and Yamashita, T.
    • 雑誌名

      Cell Death Differ. 15

      ページ: 408-419

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Myosin IIA is required for neurite outgrowth inhibition produced by RGMa.2008

    • 著者名/発表者名
      Kubo, T., Endo, M., Hata, K., Taniguchi, J., Kitajo, K., Tomura, S., Yamaguchi, A., Mueller, B.K. and Yamashita, T.
    • 雑誌名

      J. Neurochem. (印刷中)

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/molneu/index.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi