| 研究概要 |
簡潔データ構造の開発を行った.まず,文字列検索のための簡潔データ構造である圧縮接尾辞配列を作成するための省スペースアルゴリズムを開発した.圧縮接尾辞配列を作成するためにはまず文字列のBurrows-Wheeler変換を行う必要がある.これは文字列の長さnの線形時間で構築できるが,単純なアルゴリズムではO(n log n)ビットの作業領域を必要するが,本研究のアルゴリズムではこれをO(n log s log log_s n)ビット(sはアルファベットサイズ)に削減した.
また,順序木の新しい簡潔データ構造を開発した.これは既存のものよりも単純であり,データ構造のサイズも小さい.そして木に対する様々な操作を定数時間で実現できる.木が動的に変化する場合にも全ての操作をO(log n/log log n)時間(nは木の節点数)で行える.順序木のデータ構造はこれまでは非常に複雑であり実用的ではなかったが,この提案により現実的な解法が得られたといえる.
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