「パラダイムシフトを実現するためのストラテジーの決定」では、これまでに得られた結果および知見から、相対的主観評価の性質をまとめ、論文発表等によって結果を公表した。また、「ネットワーク制御を行うためのオンライントラヒック識別技術」では、パターン学習によるトラヒック検出技術、およびパケットサンプリングによる処理負荷の軽減と検出精度の維持を目指し、これまで研究開発を行ってきたアルゴリズムの実トラヒックによる精度検証を引き続き実施し、とくにネットワークの状況や接続環境による変化に対する耐性について検証した。また、トラヒックが暗号化などのエンコードによって元の統計的性質が変化した場合についても、その変化量を定量的にモデル化し、結果をフィードバックすることで不確定要素を減ずる手法について研究開発をおこなった。その結果、暗号化による特性変化を適用することで、既存のアプリケーション識別が有効に機能することを明らかにした。「ストラテジーに対するネットワーク制御パラメータのマッピング」では、TCP RenoとHSTCPのシェア比による、TCP Renoの性能劣化について、より一般的な結果を導出するために引き続き評価を行い、構築したアルゴリズムを学内ゲートウェイで実装し、時間変化による精度の影響などについて明らかにした。また、「高速ネットワークにおけるストラテジーに基づくオンライン制御法」では、TCP RenoとHSTCPのバージョン移行を対象とし、シミュレーションベースでの評価を行なうことで、方式の有効性を調べる。また、小規模ネットワークによる実験環境を構築し、実機による性能評価を行い、シミュレーション結果との違いについて考察した。
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