研究概要 |
本研究の目的は,着ているだけで日常生活の全身の触覚と動作,環境情報を融合し,いつでもどこでも行動認識を可能とするビヘイビアキャプチャスーツを開発することである.今年度は,1.ビヘイビアキャプチャスーツのための姿勢,触覚センサの試作と2.モーション,触覚と環境情報の同時計測システムのプロトタイプ構築を行った. 1.ビヘイビアキャプチャスーツのための姿勢,触覚センサの試作 ビヘイビアキャプチャスーツのために,加速度,ジャイロ,地磁気を統合したコンパクトな姿勢センサを試作した.さらに,これらのセンサ情報を統合して姿勢角を計算するアルゴリズムの開発も行った.従来のモーションキャプチャシステムでは毎秒120から200の姿勢データを計測するものが一般的であるが,試作した各センサデバイスでは姿勢角を最高で毎秒500計算できることが確認できた.また,触覚センサにおいても体に貼り付けることで,貼り付けた部位の触覚情報を容易に計測できるフォトリフレクタを利用した触覚センサモジュールの試作も行った. 2.モーション,触覚と環境情報の同時計測システムのプロトタイプの構築 姿勢センサ,触覚センサモジュールとも通信方式にUSBを採用し,それらをハブにまとめることにより,どのような計算機でも多数の姿勢情報と触覚情報の収集を容易に可能とするシステムのプロトタイプを構築した.姿勢センサを両腕,両足,胴体の各リンクに装着し,また触覚センサモジュールを背中,両足などに付与し,全身の動作と触覚情報を計測可能なプロトタイプシステムを構築し,このシステムにより,寝転がりながら起き上がるといった,環境とのインタラクションのある動作を触覚情報と共に計測可能であることが確認できた.
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