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2009 年度 自己評価報告書

ヒトを含む霊長類乳児の感覚統合-分化と運動変換に関する比較研究

研究課題

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研究課題/領域番号 19680013
研究種目

若手研究(A)

配分区分補助金
研究分野 認知科学
研究機関京都大学

研究代表者

明和 政子  京都大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (00372839)

研究期間 (年度) 2007 – 2010
キーワード胎児・新生児・乳児 / 身体マッピング / チンパンジー / 感覚-運動 / 身体模倣
研究概要

本研究は、ヒト特有の認知機能の進化史的、生物学的基盤を解明するため、ヒトを含む霊長類の認知機能を実証的に比較することを目的とした。とくに、発達の視点を重視し、ヒトの認知機能の成り立ちをあきらかにする探るアプローチから研究を進めてきた。具体的には、ヒトという種に特有とみなされてきた発達初期の認知能力を異種間で実証的に比較し、どの部分がヒト以外の霊長類と共通し、どの部分がヒト独自のものなのかを客観的データで示す試みをおこなってきた。
本研究課題において注目したのは、さまざまな感覚情報(視覚、聴覚など)を「柔軟に」統合させ、さらに身体運動へと変換させる認知能力である。これまでの研究で、こうした感覚-運動変換システムは、ヒトが進化の過程で独自に獲得してきた種特有の能力であることがわかってきた。たとえば、ヒトは生まれながらに他者の表情のいくつかを自分の表情として模倣できる。しかし、こうした発達初期の感覚統合-運動変換能力は、すでにこの時点で種特有のものであるのか、あるいは、他の霊長類も共有する時期があるのかについてはほとんどわかっていない。
こうした問題を解明すべく、本研究課題では、ヒトとチンパンジーを主たる対象として、胎児期から新生児期、乳児期にかけての感覚統合-分化と運動変換能力の発達過程を実証的に比較してきた。得られたデータにもとづき、両種の類似性、差異性を示すことで、ヒトの知的特性の発達とその機構を明らかにする試みを続けてきた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 社会的活動の進化2009

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 雑誌名

      BRAIN MEDICAL vol.21(2)

      ページ: 173-179

  • [雑誌論文] 身体マッピング能力の基盤を探る2009

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 雑誌名

      ベビーサイエンス vol.8

      ページ: 2-13

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The supine position of postnatal human infants: Implications for the development of cognitive intelligence.2009

    • 著者名/発表者名
      Takeshita, H., Myowa-Yamakoshi, M., Hirata, S.
    • 雑誌名

      Interaction Studies 10

      ページ: 252-268

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心の発達と教育の進化史的基盤2008

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 雑誌名

      科学 78(6)

      ページ: 626-630

  • [学会発表] 母親以外の他者は養育にかかわるか?チンパンジーの事例から2009

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 学会等名
      第25回日本霊長類学会学術大会公開シンポジウム「「母親」-「霊長類学」と「子ども学」のクロスディスカッション」
    • 発表場所
      岐阜, 中部学院大学
    • 年月日
      2009-07-20
  • [学会発表] 社会的認知の起源を探る-胎児期・新生児期にみる身体マッチング能力2009

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 学会等名
      日本赤ちゃん学会第9回学術集会
    • 発表場所
      滋賀県大
    • 年月日
      2009-05-15
  • [学会発表] The two-month revolution" in social cognition in chimpanzees (Pan troglodytes). Symposium: Social cognitive development in monkeys2008

    • 著者名/発表者名
      Myowa-Yamakoshi, M., Tomonaga, M., Tanaka, M., Matsuzawa, T.
    • 学会等名
      apes and humans The XXIIth congress of the International Primatological Society
    • 発表場所
      Edinburgh
    • 年月日
      20080803-20080808
  • [図書] Evolutionary origin of social communication. In: de Haan, M. & Gunnar, M.R. (Eds. ) Handbook of Developmental Social Neuroscience.2009

    • 著者名/発表者名
      Myowa-Yamakoshi, M., Tomonaga, M.
    • 総ページ数
      207-221
    • 出版者
      Guilford Press
  • [図書] 遊びの人類学(人間らしい遊びとは?-遊びから探る人間の心の発達と進化亀井伸孝(編))2009

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 総ページ数
      135-164
    • 出版者
      昭和堂
  • [図書] Early social cognition in chimpanzees (Pan troglodytes) In: Suddendorf, E., Ross, S. Matsuzawa, T (Eds.) The Mind of Chimpanzee.

    • 著者名/発表者名
      Myowa-Yamakoshi, M.
    • 出版者
      Chicago University Press(in press)
  • [図書] 子育ての進化と文化(柏木惠子・根ケ山光一(編))

    • 著者名/発表者名
      明和政子
    • 出版者
      有斐閣(印刷中)
  • [備考] 京都新聞「現在のことば」連載(平成21年8月~現在)

    • URL

      http://www.educ.kyoto-u.ac.jp/myowa/

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公開日: 2011-06-18   更新日: 2016-04-21  

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