研究課題
マルチカラーリアルタイムイメージングを駆使し、人工キャリアの細胞内動態について細胞質輸送機構を解析した。また、アデノウイルスとの比較をおこなった。また、微小管輸送における小胞輸送の寄与についても同定した。その結果、アデノウイルス同様、人工ベクターに関しても微小管輸送を示すことが明らかとなった。一方、その輸送速度に関する定量的な解析を行った結果、アデノウイルスと比較して、移動速度が遅いことを明らかとした。さらに、本輸送は小胞輸送を介して行われることを明らかとし、その速度は人工キャリアを搭載していない小胞と比較しても小さいことを示した。また、ナノキャリアのトランスサイトーシスを制御する上で、トランスウェルを用いた評価系を用いてきたが、この系においては、ナノ粒子が十分透過できるだけのボアサイズのメンブレンを用いた際には細胞がメンブレンの間隙や逆側にも培養されてしまうなどの問題点があった。そこで、京都大学再生研の田畑教授との共同研究によりゼラチンナノファイバーシートをもちいた自作のトランスウェルの開発に成功した。現在本評価系を用いながら、さまざまなナノキャリアのトランスサイトーシスを評価している。また、極性細胞におけるオクタアルギニン修飾キャリアの細胞内動態制御を行った結果、細胞内輸送のソーティングに重要な役割を果たすゴルジ体へ輸送されることを明らかとしており、現在論文投稿を行うとともに、トランスサイトーシスの評価を行っている。さらに、in vivoにおけるデリバリーシステムとして、尾静脈内投与による肝臓遺伝子発現系の構築をめざし、核移行の促進が可能な糖のスクリーニングをおこなった。また、本スクリーニングから得られた核移行性糖を修飾することにより、遺伝子発現をさらに10倍以上促進することに成功しており本件は特許として申請した。
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J Control Release (in press)
Biomaterials (in press)
Chembiochem 9
ページ: 2623-2627