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2007 年度 実績報告書

生態系の時間軸構造の解明-放射性炭素分析による生態系炭素循環解析手法の構築-

研究課題

研究課題/領域番号 19681002
研究機関京都大学

研究代表者

陀安 一郎  京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (80353449)

キーワード生態系 / 食物網構造 / 放射性炭素 / 炭素循環 / 時間軸 / 溶存無機炭素 / 溶存有機炭素 / 安定同位体
研究概要

地球規模の環境変動下において、生態系の炭素循環解明は非常に重要な研究課題になってきている。しかしながら、生態系の炭素循環を生態学的側面および物質動態的側面の両面から研究するのは容易ではない。一方、大気CO_2の放射性炭素14(Δ^<14>C)値は米ソ冷戦下の大気核実験によって近年大きく変化したことが知られている。CO_2を光合成によって固定した植物、それを利用した動物、さらにそれらが分解された有機物は、もともとの大気のΔ^<14>C値を保存しているため、炭素循環において「時間軸を表す時計」として用いることができる。そこで本研究では、^<14>Cの天然存在比を用いた生態系研究の手法を構築し、生態系の時間軸構造の解明を目指す。本年度は、研究を効率的に行なうために、京都大学生態学研究センターに新たなグラファイト精製用ガラスライン及びグラファイト化用電気炉・ターゲット作成設備を設置し、グラファイトを精密かつ迅速に作成するための前処理方法を確立した。そして水域生態系研究として、琵琶湖集水域犬上川および芹川における研究を開始した。水域生態系では、付着藻類、水生昆虫群集、魚類を対象として^<14>C分析を行なうとともに、食物網構造研究手法として定着している炭素・窒素の安定同位体分析も行なった。陸域生態系としては、土壌有機物の分解過程が重要であるため、北大苫小牧演習林において植物遺体(枯死した葉、枝リター)、土壌腐植、土壌層および土壌動物群集の分析前処理を行った。生成されたグラファイトは、国立環境研究所の加速器質量分析計(AMS)を用いて分析予定である。また、^<14>C天然存在比を用いた研究の有効性をアピールするため、学会発表および論文発表を行った。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Gradual enrichment of ^<15>N with humification of diets in abelowground food web: relation between ^<15>N and diet age determined using ^<14>C.2008

    • 著者名/発表者名
      Hyodo, F., Tayasu, I., Konate, S., Tondoh, J. E., Lavelle, P. and Wada. E.
    • 雑誌名

      Functional Ecology 22(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] ^<14>Cを用いた河川生態系の食物網における炭素起源推定2008

    • 著者名/発表者名
      石川尚人・内田昌男・陀安一郎
    • 学会等名
      日本生態学会第55回大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-03-16
  • [学会発表] 土壌食物網における食物の腐植化に伴う ^<15>Nの濃縮: ^<15>Nと食物年齢の関係2008

    • 著者名/発表者名
      兵藤不二夫・陀安一郎・Souleymane KONATE ・ Jerome Ebagnerie TONDOH ・ Patrick LAVELLE ・ 和田英太郎
    • 学会等名
      日本生態学会第55回大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2008-03-15
  • [学会発表] 河川流下過程における食物網構造の変遷〜安定同位体比、放射性同位体比からの検討〜2007

    • 著者名/発表者名
      石川尚人・内田昌男・陀安一郎
    • 学会等名
      日本陸水学会第72回大会
    • 発表場所
      茨城大学
    • 年月日
      2007-09-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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