研究課題
若手研究(A)
(1) 河川生態系における炭素放射性同位体(△^14C)の利用:河川生態系では、近年炭素・窒素安定同位体比(δ^13C,δ^15N)を用いた研究が盛んにおこなわれているが、新たな指標として△^14C値を導入し、河川生態系において食物網を記述する。(2) 河川生態系研究における炭素安定同位体比(δ^13C)と炭素放射性同位体(△^14C)の関係について:琵琶湖流入河川において、主要な一次生産者である付着藻類の光合成速度および炭酸供給速度に関係する、開空度と流速の異なる4つの微地形において、δ^13C値と△^14C値の変化を調べる(3) 森林土壌生態系における炭素放射性同位体(△^14C)の利用:1960年頃に針葉樹から広葉樹(CBサイト)または広葉樹から針葉樹(BCサイト)に樹種交替したサイト、および樹種交替していないサイト(針葉CCサイト、広葉BBサイト)の計4サイトで植物遺体、土壌腐植、土壌層および土壌動物群集の解析を行う。(4) 森林土壌生態系における炭素放射性同位体(△^14C)の利用:北大苫小牧研究林において、土壌を利用する土壌動物における△14C値を解析し、大気二酸化炭素(CO_2)の△^14C値の継時変化から、土壌動物が利用した炭素年齢(carbon age)を推定する。(5) 食物網研究における炭素放射性同位体(△^14C)の利用:茨城県北茨城市に位置する小川を調査地とし、森林生態系が発達する過程での土壌と植物体への炭素蓄積が、動物による有機物利用のあり方を変化させるのかを検討する。具体的には、森林伐採からの経過年数の異なった複数の森林で、捕食者としてのクモに対して、樹上性の昆虫と飛翔性の昆虫を比較し、食物網構造を△^14C、δ^13C、δ^15N値を用いて解析する。(6) 研究(1)から(5)に基づき、△^14C、δ^13C、δ^15Nの3つのパラメータを用いて食物網を解析する方法の優位性に関してまとめる。
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