アジア各国における環境影響を予測するための手法として、都市域大気汚染、および酸性化を対象として、被害係数の開発を行い、モデルの開発を終了するとともに、被害係数リストの開発を行った。 (1) 都市域大気汚染の運命分析の予測手法に係る調査 一次汚染物質の運命分析のシミュレーションについて、気象データを持たないユーザーを対象に、各国又は各グリッドにおける運命分析結果(SRR)のデフォルト値を構築する必要がある。ここでは、一次汚染物質のSRRの調査を行う上で必要となる、アジア域を網羅した気象データの収集・整理、及び適切な大気拡散モデルの検討を行った。 二次汚染物質の運命分析のシミュレーションについて、広域拡散されることから、運命分析結果(SRR)のデフォルト値を構築する必要がある。ここでは、二次汚染物質のSRRの調査を行う上で必要となる、アジア域を網羅した広域大気拡散モデルについて調査を行った。 (2) 都市域大気汚染(一次汚染物質、二次汚染物質)の暴露評価・被害評価・影響評価の予測手法に係る調査 大気汚染(一次汚染物質、二次汚染物質)に係る暴露評価・被害評価・影響評価について、健康影響の評価手法(D-R関数等)のパラメータの更新等についての検討を行う必要がある。ここでは、必要となる健康影響等の最新知見等を収集・整理し、D-R関数の更新について調査を行った。 (3) 酸性化の暴露評価・被害評価・影響評価の予測手法に係る調査 酸性化領域の被害係数算定フローについて、国内モデルにおいて組み込まれている社会資産への酸性化による影響予測について、アジア版LCIA手法への機能追加に関する基礎的な検討を行った。
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