研究課題
若手研究(A)
沿岸域において船舶や漁網等の防汚塗料として使用されてきた有機スズ化合物は、国際的に使用禁止が規制された現在も沿岸域に残留しており、沿岸生態系への影響が懸念される。水生生物の有機スズ等の有害化学物質の蓄積特性については、生物の生活史や生息域などの生態学的特性を考慮することが極めて重要であると考えられる。しかしながら、こうした因子を考慮した系統的な環境保全研究はこれまで皆無であった。また近年、有機スズの使用規制に伴い、有機スズ代替品として新規防汚塗料が開発されているが、その生物影響や汚染については不明な点が多いのが現状である。本研究では、沿岸生態系を脅かす有機スズ及び新規防汚塗料に着目し、同種であるが異なる生活史をもつ海と川を行き来する通し回遊魚に着目し、回遊様式の違いに伴う有機スズの蓄積特性について、耳石の微量元素と体内有機スズ濃度を測定することにより明らかにする。さらに、室内実験と併せて野外調査を行い、有機スズをはじめとする船底防汚塗料による生態系攪乱機構を解明する。
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