研究課題
本研究では、微生物バイオポリエステルの熱分解生成物であるアルケン酸をバイオポリエステルに再生する酵素変換システムおよびポリマーを回収するプロセスの開発を行う。また、単に元のバイオポリエステルに再生するのではなく、高分子量化や構造制御によりアップグレード化されたポリエステルに再生することを目的としている。平成20年度は、不飽和脂肪酸に補酵素A(CoA)を付加するアシルCoAシンテースの取得を行った。ゲノム配列が明らかになっているみPseudomonas putidaのgDNAから、アシルCoAシンテースのホモログを3種類取得し、大腸菌内で発現させ、不飽和脂肪酸に対する活性を評価した。一方で、酵素を使用せずCoAを付加する簡便な方法についても検討を行い、この方法により調製されたモノマーがPHAポリマーへ変換可能であることを確認した。今後は、合成条件の最適化を行い、さらなる反応の効率化に努めたい。また、重合酵素についても、これまでに得た知見に基づき高度安定化について検討を行っている。連鎖移動反応については、核磁気共鳴法や表面プラズモン共鳴測定法を導入し、反応の追跡を行っている。これらの検討結果に基づき、最終年度は合成および回収システムの構築を行う。
すべて 2008
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Biomacromolecules 9
ページ: 2811-2818