研究概要 |
クリーバブルリンカーを用いた光親和型固定化の改良 : クリーバブルサイトとしてジスルフィド結合を含む光親和型リンカーの合成法を改良し、高い収率で合成できる経路を開発した。次に、前年度に引き続きシクロスポリンAやFK506, phoslactomycin D(PLM-D)を固定化したアガロースビーズを作成し、DTT処理による担体からの離離や、細胞抽出液からの結合タンパク質の検出を行った。特に、クリーバブルリンカーを介してPLM-Dを光親和型固定化したビーズを用いると、従来型の光親和型アフィニティービーズでは検出が困難であった、PLM類と共有結合を形成する蛋白質脱リン酸化酵素PP2A触媒サブユニットを高感度に検出することができた。 酵素基質特異性検出アレイの開発 : 化合物に長鎖型リンカーを導入した小分子は、P450により基質として認識はされるが、酸化効率が格段に低下し、ほぼ酸化を受けなくなることが明らかとなった。この結果により小分子を基板上に固定化してからP450で処理する(酸化させる)方法論自身の見直しが必要となった。代案として、比較的小さいアジド基を小分子に導入しておき、これらをエッペンドルフチューブ中で個々にP450と反応させることにした。反応後に、Huisgen反応を用いて基板上にアジド化小分子を固定化し、続いて酸化により生じた水酸基をビオチン由来イソシアネートで検出する方法を検討した結果、P450camに酸化された小分子を基板上で検出することに成功した。
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