研究課題
平成20年度までに実施した、(i)超高速アザ電子環状反応を用いた新規標識化プローブの開発、(ii)生体高分子の迅速な標識化とPETイメージング、(iii)N-結合型糖鎖の固相合成、および(iv)天然N-結合型糖鎖のクラスター化とその予備的なPETイメージングをもとに、以下の3点について検討した。(1) 固相法を用いたシアル酸含有N-結合型糖鎖合成の一般化とライブラリー合成:平成20年度に確立したJandaJel^<TM>を担体とするN-結合型糖鎖固相合成をさらに一般化させることを意図して、還元末端にアスパラギン誘導体、およびフコースを有する糖鎖の部分合成を達成した。さらに、本フラグメントを用いた複合型N-結合型糖鎖のライブラリー合成研究を開始した。(2) 合成糖鎖クラスターの調製とインビボイメージング:平成20年度に確立したポリリジン型デンドリマー調製法を利用して、天然および合成糖鎖をクラスター化させ、PETや蛍光イメージングを実施した。その結果、2次リンパ器官として重要な脾臓に選択的に取り込まれるクラスターを初めて見出すとともに、シアル酸糖鎖構造による胆嚢、または腎臓を経た代謝過程の相違を可視化することに成功した。(3) 人工糖鎖付加タンパク質の調製:タンパク質に対して、超高速アザ電子環状反応とStaudingerライゲーションを併用して用いることにより、ビオチン分子やN-結合型糖鎖を効率的に導入することに成功した。また、銅触媒下におけるHuisgen環化反応との併用によるプロトコルも完成させ、糖鎖付加タンパク質や細胞の動態変化をPETや蛍光インビボイメージングにより検証する基礎を築いた。
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