1980年代以降、裁判所書記官の権限・役割の拡大が進められ、ドイツの司法補助官(Rechtspfleger)に類似の司法機関に成長したと言われてきた。本研究では、実態を踏まえた比較のため、ドイツ(ベルリン)の司法補助官や、その養成・人事に関わる法律家へのインタビューと、司法補助官に対する質問票調査を行った。調査結果からは、司法補助官については、職務遂行面でも、職業意識の面でも、裁判官とは別個独立の司法機関である点が重視されていることが明らかになった。これは、裁判官とチームを組んで事件処理にあたる日本の書記官とは対照的である。
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