研究課題
平成19年度は、主に日本銀行やOECDが公表している資料を利用して、サービス貿易に関する統計を整備した。また、レコフ社『マールM&Aデータ』とビューロ・ヴァン・ダイク社の『Zephyr』データを利用し、非製造業について、産業別、相手告別、地域別の国際的企業買収・合併の状況を整理した。作成した主な統計は以下のとおりである。・業種別・相手国別サービス貿易統計・業種別・地域別外資系企業活動規模(投資国・地域別)・業種別・地域別国内M&Aと国際M&A件数、規模これらの統計から、日本の非製造業については、国際化の遅れが著しいことが分かった。1990年代後半以降、多くの先進国でコンピュータ・情報サービスやその他のビジネスサービスの輸出入額が拡大したのに対し、日本のそれは極めて低い伸びにとどまった。日本におけるコンピュータ・情報サービスやその他のビジネスサービスの国際取引は、輸入においても、直接投資の受け入れにおいても、米国と比べてその増加率は格段に小さかった。また、平成19年7月には、上海で開催されたAsia-Pacific Trade Seminar 2007 とハワイ大学にて開催されたEast West Center/KDI Conferenceに参加し、東アジア域内貿易の進展と日本国内の雇用に与える影響について研究発表をおこなった。東アジア域内での貿易や投資動向の変化を分析し、さらに対外貿易が日本や韓国の国内雇用に与える影響を産業レベルで分析した。経済のグローバル化の進展により中間財やサービスの輸入が増加しており、その結果、国内労働需要が技能労働にシフトしていることを示した。しかし、韓国と比較すると、日本についてはサービス輸入の増加率は著しく小さかった。
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CIEB Working Paper Series, Columbia University No.260
ページ: 1-55