研究概要 |
平成19年度は,問題解決型の道徳授業の理論を構築すると共に,国内の小中学校を訪問して道徳授業における実践例を分析することに力を入れた。 まず,問題解決型の道徳授業の理論的基盤を整備するために,ジョン・デューイの教育理論とそのプラグマティズムに関連づけながら検討し,平成19年10月に日本デューイ学会の研究紀要に論文「デューイの道徳教育論と道徳授業論」を発表した。次に,従来の道徳教育の歴史,理論,授業方法を総括した上で,問題解決型の道徳授業に関する理論的意義と実践例を解説したものとして,平成19年10月に『道徳教育の研究-生きる力を育む道徳指導法-』を刊行した。第三に,これまでの問題解決型の道徳授業の理論と実践例について具体的に検討し,平成19年11月に日本道徳教育学会において「問題解決型の道徳授業の理論と実践」を発表した。第四に,平成20年3月に共同研究を進めていた現場教師と共に「問題解決型の道徳教育の理論と実践」を教師研修フォーラムにて発表した。また,その研究内容を岐阜大学教育学部の紀要『教師教育研究』に掲載した.最後に,問題解決型の道徳授業をネオ・プラグマティズムの見地から検討した著書として,『ローティの教育論-ネオ・プラグマティズムからの提言-』を刊行した。 以上のように,論文2件,著書2件,学会発表2件によって研究成果を公開すると同時に,積極的に各学校の道徳授業の実践を指導訪問して,多くの研究者や実践者と意見交流を図り,道徳授業のさらなる改善と発展に向けて努めてきた。
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