マクスウェル・シュレディンガー方程式の初期値問題を考察した。方程式の構造からエネルギー解と呼ばれる解の適切性が問題となるが、Koch-Tzvetkov型と呼ばれるストリッカーズ評価を用いると、これまでに知られていたよりエネルギー解に近いクラスで適切性を示すことが出来ることを示した。更に、解は時間大域解であることも示し、学術論文として発表した。非線形波動方程式の外部問題をKeel-Smith-Sogge型と呼ばれる時空間評価を用いて考察した。各点評価型と呼ばれる波動方程式の解の一様評価とKeel-Smith-Sogge型評価を組み合わせ、様々な非線形項を扱うことを目指し、研究を行った。障害物が光を捕捉する場合、一般にはエネルギーが減衰しないため、時間大域解の存在は期待できないが、光を捕捉してしまう障害物の境界付近に消散項を付け加えれば、長時間解が得られることを示し、学術論文として発表した。関数空間と非線形偏微分方程式との関係を調べることを動機の一つとして、ソボレフ空間とはフーリエ空間における単位の分解が異なるモジュレーション空間を用いて、非線形偏微分方程式の初期値問題を考察した。非線形熱方程式、ナヴィエ・ストークス方程式、クライン・ゴルドン方程式、シュレディンガー方程式、波動方程式について考察した。
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