研究概要 |
非線形波動方程式、マクスウェル・シュレディンガー方程式、複素ギンツバーグ・ランダウ方程式、消散型波動方程式の初期値問題を主に考察を行った。非線形波動方程式については、近年にアインシュタイン方程式の初期値問題を考察したLindbladとRodnianskiの論文において用いられた調和座標とNull frame methodに対してと一般の変数係数の準線形波動方程式の初期値問題への応用について考察した。マクスウェル・シュレディンガー方程式については、BejenaruとTataruが示したエネルギークラスでの時間大域可解性を参考にして、分散型方程式に対するフーリエ空間における単位の分解法について考察した。複素ギンツバーグ・ランダウ方程式と消散型波動方程式については、昨年度に得られた線形評価を基に、非線形項が非局所的である場合の初期値問題を考察した。また、局所消散型波動方程式については、一般次元の境界値問題を考察し、時間大域解の一意存在について考察を行った。 Keel, Smith, Soggeが2002年に示した波動方程式に対する重み付きの時空間評価は、外部問題において強力な手法の一つとなっている。この評価を分散型方程式を含んで一般化し、調和解析学における停留位相の方法での統一的な証明を示した。非線形問題への応用も考察し、小さい初期値に対する時間大域解の存在を示した。
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