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2007 年度 実績報告書

放射性重元素の高感度測定等による、カムランド太陽ニュートリノ高精密測定の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19684004
研究機関東北大学

研究代表者

岸本 康宏  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30374911)

キーワードニュートリノ / ニュートリノ振動
研究概要

平成19年度は,5月よりカムランドの液体シンチレータの純化を行った.この作業では,液体シンチレータの3つの構成成分(ドデカン,プソイドクメン,ジフェニルオキサゾール)の沸点の違いに応じ3つの蒸留塔を使用して,鉛を始めとする放射性不純物の除去を行った.この純化作業は,カムランドの液体シンチレータを取り出す一方で,それと同量の純化された液体シンチレータをカムランド上部から,新旧の液が混合しないよう,密度を調整して導入した.ところが,純化した液体シンチレータの総量が,全体の凡そ半分となった時,純化後の液体シンチレータと純化後の液体シンチレータが突然混合し始めた.このため,高度に純化された液体シンチレータに純化前の放射性重元素が混合してしまい,所定の純度に到達することが出来なかった.現在は純化前後の液体シンチレータを混合させないようにするため,密度ばかりでなく,液体シンチレータ温度も調整する装置を設置し,早期にカムランドの放射性重元素を除去し,太陽ニュートリノ観測を開始すべく,研究を進めている.
また,この純化作業と並行して,気体シンチレータ中の放射性クリプトンの測定装置の開発を行った.この装置は,液体シンチレータ中のクリプトンを高純度のヘリウムガスで追い出し,その試料気体を液体窒素温度の吸着体で冷却し,クリプトンを濃縮することで高感度の検出能力を持つ.この装置は,原理的にクリプトンのトラップ部と,その検出装置部(RGAを使用)が最も重要な部分となるが,これらの作成とテストを終え,クリプトンの検出効率が,所定の性能を有している事を確認した.一方で,この開発研究の過程で,ヘリウムガス中に,水分や液体シンチレータのガスが混入すると,それらがバックグランドとなり,クリプトンの高感度検出の妨げとなることが分かった.現在,これらバックグランドガスを高温のタングステンリボンでイオン化して取り除く装置を導入し,テストを行っている最中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] KamLAND Purification Status2007

    • 著者名/発表者名
      岸本 康宏
    • 学会等名
      TAUP2007
    • 発表場所
      仙台市市民会館
    • 年月日
      2007-09-17

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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