研究課題
本年度は昨年に引き続きプロセスの条件出しを行った。まず、CF_4、SF_6ガスを用いたドライエッチングの条件出しを行い、それぞれ40nm/min、2000nm/minというエッチングレートを得た。また、エッチングマスクの選択比を実験的に求めた。また、リフトオフ、マスク作製などその他のプロセスについてもパラメータを最適化し、再現性よく10ミクロンの微細加工が可能になった。これにより各種プロセスを統合し、目的に応じたカンチレバーの作製が可能になった。続いて、本研究の目的である精密スピン計測に向け、実際にマイクロカンチレバーの試作を行った。具体的には(1)微小カンチレバー、(2)キャパシタンス検出カンチレバー、(3)較正コイル付きカンチレバー、(4)光検出カンチレバーを作製した。幅2ミクロン、厚み2ミクロン、長さ400ミクロンのカンチレバー作製にも成功し、当初目的に挙げていたマイクロマシン環境を整備することができた。また、作製したカンチレバーの変位を精密に測定するための測定系の開発も平行して行った。Fabry-Perot干渉計を用いることで10^<-10>m程度の変位検出感度を実現した。微小スピン計測では、カンチレバーを用いた精密ESR測定の改良を行った。より高い感度を実現する方法として磁場変調方式を新たに導入した。磁場変調コイルを設計、自作し、実際に磁場変調を加えた条件下でESR信号の検出に成功した。これにより光変調の際に問題となっていたカンチレバーの振動が抑制可能になり、高いQ値の条件下でもESR測定が可能になった。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (10件)
Applied Magnetic Resonance 37
ページ: 881-891
Journal of Low Temperature Physics 159
ページ: 302-306
ページ: 276-279
電子スピンサイエンス学会誌 7
ページ: 100-105
固体物理 44
ページ: 453-462
日本磁気学会誌 4
ページ: 2162
Journal of Physics : Conference Series 150
ページ: 042150-1-4
ページ: 042151-1-4