研究課題
ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)は、ディーゼル車排ガス中の粒子状物質を捕獲するために広く利用されている。原油価格の高騰・排ガス浄化技術の飛躍的な改善・低CO_2排出量などの点から、欧州だけでなく、国内でもディーゼル車が再度注目をあつめている。今後、BRICs・ASEAN諸国等で大量のディーゼル乗用車の普及が予想されており、いかに効果的に有害な微粒子状物質(PM)を除去するかが喫緊の課題となっている。このような状況のもと、今後のバイオディーゼル技術普及に伴う燃料の多様化や、規制強化(新長期規制など)に対応可能な次世代のDPF材料が強く求められている。本研究では、従来のコーディエライト、SiCに継ぐ、第3世代の「低熱膨張・低コスト・高耐熱性・高強度」を同時に満たす多孔質セラミックス材料の研究開発を進めている。平成19年度の主な研究成果は以下のとおりである。1.これまでの「三次元ネットワーク型多孔質複合材料」(UPC-3D)の研究を発展させ、高温X線回折を用い「その場合成」が可能な高温材料系の物質探索を行うとともに、有望な材料系のひとつであるCaZrO_3/MgA1O_4系多孔体の押出成型による実部材の試作(ハニカムモノリス)を行った。2.ゾルゲル-超臨界乾燥法による「ナノワイヤー分散型多孔体粉末」の作製に成功した。これにより、多孔体フィルターに高次構造を付与し、より微細な粒子の捕集や触媒機能の付与が期待できる。3.さらに、多機能フィルター化、機械的特性の改善を可能にするため、原料粉体への高速窒素ドーピング技術(非平衡大気圧アークプラズマによる窒素ドーピング)の開発を行った。
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