研究概要 |
本研究の目的は、高耐熱性・低熱膨張が期待され、雰囲気炉焼成が不要な酸化物系を中心に、第3世代のディーゼル粒子除去フィルター(DPF)用材料系を探索することである。焼成炉への影響が少ない助剤の探索、現実のフィルター用途に適した10ミクロン付近の均質な平均細孔径の実現、ハニカム構造体製造に必要な押出成型プロセスの検討、メーカー等と協力のもとでのフィルター性能評価等を進めることを目指している。 平成22年度の主な研究成果は以下のとおりである。 1.シャープな細孔系分布をもつMgTi2O5/MgTiO3系複合セラミックス多孔体を開発した。また、水銀圧入・脱着法を用いて、細孔系分布の詳細な解析を行った。 (J.Ceram.Soc.Jpn., 118, 819-822 (2010)に掲載) 2.MgTi2O5多孔体についての研究をさらにすすめ、酸化物としては比較的低熱膨張である多孔体を得ることができた。 (J.Ceram.Soc.Jpn., 118, 1212-1216 (2010)に掲載) 3.MgTi2O5相に関するこれまでの報告例を詳細にとりまとめ、材料分野で高いインパクトをもつ、Sci.Tech.Adv.Mater誌にレビュー論文を発表した(印刷中) 4.上記の研究成果の一層の普及を目指して、国内セラミックスおよび金属分野の著名雑誌である「セラミックス」誌、「Fine Ceramics Report」誌、「金属」誌にそれぞれ解説原稿を寄稿した。 (セラミックス、45[10] 834-838(2010). FC Report、28[4]130-134(2010). 金属、80[6]489-493(2010).)
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