研究概要 |
本年度は、昨年度で得られたSi(100), (110)など各面方位における2次元反転型および蓄積型デバイス電界効果ドリフト層の耐圧特性の基板濃度依存性、ゲート絶縁膜印加電界依存性の結果に基づき、電界効果ドリフト層構造のシミュレーションを行い、構造を最適化したデバイスを試作し、理論を検証した。(2)Si(100), (110)など各面方位における2次元蓄積型デバイスの高速スイチング特性、信頼性評価における有利性を実証した。この結果に基づき、本年度はパワーデバイスを試作し、スイチング速度は2倍ほど向上できることを実証した。(3)3次元デバイスでは側面もキャリアが伝導するために、デバイスの電流駆動能力を向上させるためには表面だけではなく、側面の界面特性も極めて重要であるため、本研究室が取り込んでいる原子レベル平坦化技術と表面を荒れさせない洗浄技術は確立しつつため、蓄積型デバイス構造と組み合わせ、3次元パワーデバイスの形成に取り入れ、形成プロセスの最適化を行い、コーナー丸め処理、表面平坦化など表面、界面処理プロセスがデバイス信頼性と特性に与える影響を最小限にし、電流駆動能力を1.3倍以上に向上し、2次元デバイス並みの耐圧を実現可能であることを示した。(4)19年度の研究では本デバイス構造では耐圧を保ちながら、極めて高速スイチング動作が必要となるRFパワーデバイスにも適用可能なため、電子線描画装置を用いて、100nm以下のゲート長を有する超高速動作可能な新RFパワーデバイス構造を実現し、性能を1.5倍に向上した。本研究を通して、新しいパワーデバイス構造を理論的に考案し、実験的に実証し、2次元および3次元における優位性を実証した。
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