研究課題
合成開口レーダ(SAR)センサは全天候型センサで、夜昼によらずに運用できる多目的センサである。現在、国内と国外に運用されているほとんどのSARセンサは直線偏波(水平と垂直偏波)およびその組み合わせしか動作していないので、限定された情報しか取れない。また、このSARセンサは電離層による影響またはファラデー回転が大きく、大型、複雑な構造、大電力などのようなデメリットをもっている。さらに、わが国の大学レベルにおけるSARシステムの研究開発があまり行われていないので、SARシステムにおける人材不足が深刻な状況であるので、SARシステムに関する研究と教育を緊急に処置すべきである。このような背景で、本研究では、地表層における様々な情報を精密かつ高精度に観測できる、世界初かつ日本独自の技術による次世代航空機・マイクロ衛星搭載用の円偏波合成開口レーダ(Circularly Polarized Synthetic Aperture Radar : CP-SAR)センサを開発している。ここで、代表者は円偏波の振る舞いを利用して、左旋円偏波(LHCP)と右旋円偏波(RHCP)の受信信号の利得比または軸比画像(Axial Ratio Image、以後ARIとする)を抽出し、挑戦的に新画像として提案した。この方法は、従来のSARセンサと比較して、プラットフォームの姿勢に依存しないし、地表層による散乱問題の高精度・低雑音化などを期待している。本研究の実施内容として、CP-SAR用のマイクロストリップアンテナ、制御回路、特性測定方法などの設計開発を行っている。専門知識の開拓と育成貢献として、本研究の成果は近い将来、世界初の円偏波による地球表層環境・地殻変動の実態把握とその要因解析、大陸規模の植生3次元構造の変遷を中心とする表層・植生・土地被覆変動の研究とデータ解析・処理手法と検証などに応用できると期待する。
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The Canadian Journal of Remote Sensing 34
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International Journal of Rempte Sensing (受理)(印刷中)
http://www2.cr.chiba-u.jp/mrsl/