研究課題
合成開口レーダ(SAR)センサは全天候型センサで、夜昼によらずに運用できる多目的センサである。現在、国内と国外に運用されているほとんどのSARセンサは直線偏波(水平と垂直偏波)およびその組み合わせしか動作していないので、限定された情報しか取れない。また、このSARセンサは高価、大型、複雑な構造、大電力などのようなデメリットをもっている。そのため、本研究では、地表層における様々な情報を精密かつ高精度に観測できる、世界初かつ日本独自の技術による次世代航空機搭載用の円偏波合成開口レーダ(Circularly Polarized Synthetic Aperture Radar CP-SAR)センサを開発する目的である。ここで、代表者は円偏波の振る舞いを利用して、左旋円偏波(LHCP)と右旋円偏波(RHCP)の受信信号の利得比または軸比画像(ARI)を抽出し、挑戦的に新画像として提案する。この方法は、従来のSARセンサと比較して、プラットフォームの姿勢に依存せず、地表層による散乱問題の高精度・低雑音化などを期待している。平成19年度~20年度に、円偏波合成開口レーダ(CP-SAR)のアンテナと制御回路部分のシミュレーションなどに関する設計開発を行った。特に、平成20年度には、このアンテナと回路部分をHFFSソフトなどで統合させ、CP-SARシステム(プロトタイプ)の動作確認を行った。また、このアンテナシステムの設計とCP-SARの関連回路の開発と電波無響室内と外野実験のために、誘電体基板、RFコネクタ、セミリジットケーブル、CP-SAR回路用部品を使用した。平成21年度に、アレーアンテナとマイクロ波回路の最終設計と開発、電波無響室内のアレーアンテナの特性を調査した。本研究では、航空機搭載の代わりに、安価、運営の柔軟性などを考慮して、無人航空機(UAV)の開発も行った。このUAVはCP-SARシステムを搭載し、高度1~4kmの間に運用できる。CP-SARの信号処理用ソフトの開発に関して、受信されるRCHPとLHCPの信号を画像化するために、SAR画像信号処理のアルゴリズム(EduSARソフト)を開発した。
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Journal of Geography (印刷中)
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