研究概要 |
本研究では,移動ベースにサーボモータを使うことを最小限に抑え,主に人間の操作力をシステムの駆動力として考え,その操作力によって動かされたシステムの運動をサーボブレーキを利用して制御することにより,結果的にシステムの運動特性を制御し,人間支援を実現することを目指す.本年度でははじめに,サーボブレーキを利用したパッシブ型移動ベースのプロトタイプシステムを開発した.本システムは移動ベースの車輪にサーボブレーキを搭載し,その車輪のブレーキカを制御することにより,結果として移動ベースの運動を制御可能なシステムである.次に,利用者にとって安全で操作性のよい移動ベースシステムを研究開発するため,サーボブレーキを利用した人間適応型基盤運動制御技術を構築した. 本研究で開発するシステムをはじめ,人間支援システムには,様々な支援機能が実現されることが期待される.しかしロボットに対して十分な知識のない一般のユーザが使用することを考慮すると,実現された多くの機能は,人間の状態や作業に応じて適切かつ自動的に切り替えることが必要となる.そこで,人間やシステムの状態・運動および環境の変化等を計測するセンサシステムを構築し,それらの情報に基づき,人間の状態や運動,環境の変化,移動ベースシステムの運動状態を解析する手法を検討した.また,実際に移動ベースシステムを運用するためには,大掛かりな計測システムを用いることはできない.そこで,上記システムを用いた解析結果からいくつかの特徴量を抽出し,それらの情報を主に計測可能な,移動ベース搭載型簡易計測システムを構築した.
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