研究概要 |
本研究では,移動ベースにサーボモータを使うことを最小限に抑え,主に人間の操作力をシステムの駆動力として考え,その操作力によって動かされたシステムの運動をサーボブレーキを利用して制御することにより,結果的にシステムの運動特性を制御し,人間支援を実現することを目指す.本年度は,特に,パッシブ型移動ベースの適用範囲の検討及び実機による検証を行った.現在,歩行支援システムや離床支援システムの研究開発を進めるにあたり介護機器メーカの研究者と議論を行う機会を得ている.また,脳卒中の患者を主に治療している病院やベルサイユ大学(フランス)の福祉機器研究開発チームと議論を行う機会を得ている.本研究でも,これらの研究機関との議論に基づき,人間支援を行うための機能の検討を行うとともに,実際に研究開発を行ってきたパッシブロボットに適用し,その有効性の確認を行った,また,安全に高機能を実現できるパッシブロボットは非常に多くの応用範囲を考えることができる.そこで,パッシブシステムをより実用的な形で使用するために,実世界でよく使われる移動体の車輪(キャスタ)に注目し,キャスタにブレーキを取り付けることでその移動体の運動を制御するシステムの開発を行った.これにより,様々な移動体の高機能化が実現できる見込みがついた.その他,移動体の運動制御をおこなうために,従来のパウダーブレーキやMRブレーキに変わるブレーキシステムを検討し,非常に低消費電力でかつ高速応答を実現できる回生ブレーキシステムの開発に取り組んだ.
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