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2007 年度 実績報告書

土壌水分量と傾斜変位に着目した低コストで簡便な豪雨時の斜面監視システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19686031
研究機関東京大学

研究代表者

内村 太郎  東京大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60292885)

キーワード自然災害 / 土砂災害 / 防災 / モニタリング / 無線通信 / センサー / MEMS / 傾斜計
研究概要

市民による自主防災や発展途上国での利用を可能にするために、低コストで簡便な斜面災害の予兆のモニタリングシステムの開発に取り組んだ。先行研究で、斜面上で測定した傾斜及び土壌水分量のデータを無線で転送する装置を試作していたが、19年度は、大きさと電力消費を大幅に抑えることのできるMEMS技術を使った傾斜計の導入、電力消費を抑えるためのスリープモードを含む電源管理の徹底、最大600mまでデータを送信できる特定小電力無線モジュールの導入、携帯電話回線を使ったインターネットへのデータ送信など、実用化に必要な改良を施した。
これを用いて堤防模型の人工降雨実験のモニタリングを行い、斜面崩壊前の挙動を観測した。また、省電力化により、10分ごとに計測した場合、単3アルカリ電池4本で1年以上動作できることを確かめた。さらなる改良として、手作りでなく工場生産できるユニットを設計し、次年度に予定している野外の実斜面での長期モニタリングを行う条件を整えた。
一方、このような低コストのモニタリングの手段が実用化されることで、比較的小規模な斜面でも、常時モニタリングを行い、降水量と土壌水分量の経時変化の関係から、斜面の透水性や水はけなどの水理特性を把握し、斜面防災に役立てられる可能性がある。19年度は、もっとも単純な条件として、1次元の鉛直カラムの模型地盤に断続的な人工降雨を与え、地盤中の水分分布の浸水、排水の様子を計測した。その結果、排水過程の進行速度は、雨の強度や長さにかかわらず土壌水分量だけに依存しており、降水パターンによらない斜面の水理特性を、定量的に評価できる可能性を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 降雨時の常時計測による斜面の水理特性の評価2008

    • 著者名/発表者名
      生川寛之・福田穣・内村太郎
    • 学会等名
      第43回地盤工学研究発表会発表講演集
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20080700
  • [学会発表] 斜面崩壊を対象とした監視ネットワークの構築とその危険予測について2007

    • 著者名/発表者名
      瀬古一郎、王 林、内村太郎、東畑郁生、福田穣
    • 学会等名
      降雨時の斜面モニタリング技術とリアルタイム崩壊予測に関するシンポジウム
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20071200
  • [産業財産権] 斜面監視装置および斜面監視システム2008

    • 発明者名
      内村太郎・瀬古一郎・王林
    • 権利者名
      中央開発株式会社
    • 産業財産権番号
      特願2008-096039
    • 出願年月日
      2008-04-02

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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