研究概要 |
メソ多孔体への強酸点付与に関する検討 非晶質性のメソ多孔体にゼオライト結晶で発現する強酸点を付与することを試みた。メソ多孔体の細孔壁をゼオライトの原料とし, ゼオライトの核化・結晶化剤となる有機アミンを蒸気化して供給することで, メソ多孔体の細孔壁上でゼオライトを結晶化させることができた。また条件, 特に蒸気供給温度と時間を制御することにより, ゼオライトの結晶成長を抑え, ビルディングユニットの形成で止めることができた。それにより, メソ多孔質性を損なうこと無くゼオライトライクな強酸性質を付与することに成功した。 メソ多孔体へのミクロポケット構築に関する検討 ミクロ孔・メソ孔を併せもつコンポジット材料の創製のために, 外表面ポケットタイプのミクロ細孔を有するゼオライト種とメソ多孔体の組み合わせを検討した。供給する有機物にはヘキサメチルレンイミンを使用した。ミクロポケットが形成される以前にまずゼオライト由来の酸点が形成され, その後長周期構造が発達することが分かった。長周期構造が発達するとメソ多孔性を維持することが困難なこと, 上記での検討と同様に酸性質とメソ多孔質の共存は可能でありゼオライト由来の強酸性質とメソ多孔質シリカ由来のメソ多孔性が共存するコンポジット材料の合成には成功した。ミクロポケット性を付与するためには, イミン蒸気の供給条件, 特に競争的に供給する水蒸気分圧のコントロールによって結晶成長度を抑制できることがわかった。
|