研究概要 |
惑星突入シミュレータとして期待されているマルチガス対応型(N_2,O_2,Ar,CO_2など)誘導結合型高周波プラズマ風洞の高エンタルピー化を目指し,誘導結合型高周波プラズマ風洞にMHD加速部を組み合わせることを提案し,その原理実証及びMHD加速部を設けることの価値を調べることを目的とした.今年度は主に以下の成果を得た. (1)昨年度開発したマルチガス対応型(Air,N_2,O_2,Ar,CO_2)誘導結合型高周波熱化学平衡プラズマ解析用軸対称2次元CFDコードを,化学非平衡性を取り扱えるように拡張した.そのCFDコードを用いて火星大気の主成分であるCO_2を作動ガスとした大電力誘導結合型高エンタルピー風洞の解析を行い,プラズマ諸量に与えるチャンバー圧力,高周波電力周波数,供給電力の影響を明確にした.(2)昨年度開発した3次元電磁流体コードを用いて,円筒形MHD加速機内の電磁流体場を三次元的に捉えることに初めて成功した.(3)今回解析対象としたMHD加速機・運転条件では電気変換効率(車位時間あたりのローレンツ力による流体加速仕事/供給電力)が低く,結果としてジュール加熱による温度上昇が無視し得ないほど大きくなった.その結果,MHD加速機を運転すると流れは加速するもののマッハ数は低下した.今後の課題として,ジュール加熱を抑えたMHD加速方式・運転方法を検討する必要がある.(4)ファラデー型円筒形MHD加速機では円弧方向の電極端部に電流集中が発生し,その結果,流れの加速をもたらすローレンツ力は流路断面上で非一様な分布を取ることが3次元解析から初めて示された.
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