研究概要 |
都市型ノイズを利用した反射法地震探査の実証試験を行った.反射波のイメージング理論はSeismic Interferometory理論に基づき構築した.実証試験はシミュレーションと水槽を用いたモデル試験, および現場試験で行った.地表面に特有のノイズが多く, 通常の反射法地震探査の適用が困難な都市域において, 逆にそのノイズを利用して地下イメージングを行う手法の開発を行った.本研究ではSeismiec Interferometory法の都市域探査への応用を検討した.本年度は, 実証試験を現場探査による実用化試験を行った. 現場探査は群馬県の利根川支流神流川河川敷でおこなった.測線は深谷断層系の神川断層を横断している.また, 新幹線, 在来線, 高速道路, 国道が河川橋にて横断しており, 都市型の交通環境ノイズが卓越している.昨年度の解析結果により, 都市型の環境ノイズの利用は卓越するS波の利用が望ましいとされたため, 受振は主にS波を受信した.また, 約100mごとに, 3成分振動も記録した.測線長は2230mとした.また, 横断測線を3測線および平行測線を2測線設けた.全区間で10m間隔で受振を行い, 受振点数は300点となった. 通常の地震波干渉法では, 地下断面を捉えることはできなかった.しかし, 横断測線を用いた波動到来方向の検知による相互相関記録の取捨選択により, 擬似ショット記録からは反射イベントを確認でき, 都市型ノイズを利用した反射法地震探査の実現性が確かめられた.通常のS波反射法探査も合わせて行い, 結果を比較した.通常の反射法記録と同等の記録を得るにはさらなる工夫を要する.
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