「研究の目的」である種々のプラスチックが混ざっている混合廃プラスチックから、リサイクル工程で問題になる種類の異なる塩化ビニル(PVC)を主とする塩素系プラスチックを除去する技術開発を行った。三年目、最終年度の課題として、実際のフィルム状廃プラを対象とした最適なオゾン処理における前処理後の、最適な浮遊選別条件における分離の検討を行った。 種々の検討をおこなったがそれらの結果、当初予定していたオゾン-浮遊選別法での分離は難しいと判断した。その原因は、オゾン処理や浮遊選別処理の条件最適化による分離性の向上が、ペレットではなくフィルムであることの比表面積の増加に追いつかず、少量の気泡付着でも浮上してしまうことが原因と考えられた。しかしながら各種の調査より、対象としているフィルムの実際の分別工場の比重分離装置においては、比重が重く湿式比重選別で沈殿するはずの塩素系プラスチックが浮上してしまう問題があることがわかり、その原因である気泡付着の低減程度には本技術を導入することで改善可能であり、応用性があることを明らかにした。また、予期せぬ場合の計画および新規のアイディアに基づいて当初の目的の達成のため他の方法を検討し、フィルムのネジレ性、あるいは融着による分離を検討し、それら技術へのオゾンの影響などを検討した結果、目的である混合廃プラスチックから塩素系プラスチックを分離する技術の開発を達成した。 前年の結果と本年度の結果を元に、論文をまとめた他、学会での発表などを通じて成果を社会還元した.
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