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2009 年度 実績報告書

カプセル化による凝集性蛋白質の構造解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19687010
研究機関京都大学

研究代表者

星野 大  京都大学, 薬学研究科, 准教授 (70304053)

キーワードNMR / 分子シャペロン / CroE / 会合・凝集 / 構造生物学
研究概要

研究の目的
これまでに3,000を超える蛋白質の立体構造がNMRにより決定されており、蛋白質の立体構造決定法としての溶液NMRの地位は既に確立されたものとなっている。ところが、生体内において重要な役割を果たす蛋白質の中には、NMR測定に必要な高い蛋白質濃度の条件下において、非特異的な会合体を形成してしまうものが少なくない。会合体の形成はNMR測定において致命的であり、それを効率良く取り除く/抑制する手法の開発が強く望まれている。
本申請は、これまでNMRによる構造解析においてしばしば大きな障害となっていた非特異的な会合体の生成を、大腸菌の分子シャペロンであるGroEL/ESにより形成される「カプセル」のな中に標的蛋白質分子を1つずつ閉じ込めることにより物理的に抑制し、NMRによる構造解析を可能にするという、直接的かつ最も効果的な手法の開発を目的とする。
研究実施状況
昨年度までの研究により、GroEL認識配列を付加したユビキチン(Ubq*)をGroEL-基質蛋白質-GroES三重複合体を安定に封入し、複合体内部におけるUbq*の二次元NMRスペクトルを取得する事に成功した。これにより、GroE内腔において基質蛋白質が水溶液条件と同様のネイティブ構造を保持しているという、極めて重要な知見が得られた(研究業績1にて発表)。その一方で、GroEL認識配列の付加によりGroE内腔とUbq*の相互作用によりNMRシグナルがブロードニングする事が明らかとなった。そこで、本年度はジスルフィド結合を介して可逆的にGroEL認識配列を付加する新規の手法の開発を行なった。GroEL-基質蛋白質-GroES三重複合体形成後に還元剤を添加する事により、可逆的に認識配列を除去する事に成功した。これにより、NMRシグナルのブロードニングを抑制し、スペクトルの質を劇的に向上する事に成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Chaperonin-encapsulation of proteins for NMR2010

    • 著者名/発表者名
      S.Tanaka, Y.Kawata, G.Otting, N.E.Dixon, K.Matsuzaki, M.Hoshino
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta 1804

      ページ: 866-871

    • 査読あり
  • [学会発表] 分子シャペロンカプセル化システムの構築2009

    • 著者名/発表者名
      増原泰英, 河田康志, 松崎勝巳, 星野大
    • 学会等名
      第48回 NMR討論会
    • 発表場所
      九州大学馬出病院キャンパス
    • 年月日
      2009-11-10
  • [備考]

    • URL

      http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/yakkai/

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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