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2008 年度 実績報告書

ほ乳類の受精の新規膜融合因子群の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19687015
研究機関大阪大学

研究代表者

井上 直和  大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50379096)

キーワード受精 / 膜融合 / 精子 / 卵子
研究概要

受精は生命現象の始まりという極めて重要な現象にも関わらず、分子生物学的な機構については未知の部分が多い。特に膜融合機構に関する研究は世界的に見ても詳細な解明に至っていない。これまでに我々は、受精の膜融合を特異的に阻害するモノクローナル抗体を用いて、世界で始めて精子側の融合因子Izumoを発見した(Nature,Inoue N et.al.,2005)。
今年度の若手研究(A)の成果として、Izumoの融合時に機能する詳細な解析を行なうために、種間でよく保存されたIzumoのN結合型糖鎖を欠失する雄マウスを作製し、その精子の融合能に関する研究成果を発表した(BBRC,Inoue N et.al.,2008)。N型糖鎖がないIzumoは、精子の成熟に伴い、精巣上体尾部で特異的に分解され、その結果、その結果、その精子の受精能、融合能が劇的に低下した。しかし、少ないながらも、融合能が存在することから、Izumoの糖鎖が直接融合に機能しないことが明らかになった。
さらにIzumoを介する膜融合機構を解明するうえで重要な位置を占める、Izumoの一次構造上の融合機能ドメインを明らかにすることに成功した(未発表データ)。このドメインは分子間の接着、相互作用に機能するとされている免疫グロブリン様ドメインよりもN末端の領域に存在し、種間でよく保存され、かつIzumoに特異的な配列であった。今後はこのドメインのなかで、重要なアミノ酸残基をさらに絞り込み、Izumoの詳細な融合活性化機構を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Putative sperm fusion protein IZUMO and the role of N-glycosylation2008

    • 著者名/発表者名
      Inoue, N.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 377

      ページ: 910-904

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanisms of sperm-egg interactions emerging from gene-manipulated animals2008

    • 著者名/発表者名
      Ikawa, M.
    • 雑誌名

      Int J Dev Biol. 52

      ページ: 657-664

    • 査読あり
  • [学会発表] 受精の膜融合因子IzumoのN結合型糖鎖の役割2008

    • 著者名/発表者名
      井上直和
    • 学会等名
      第27回日本アンドロロジー学会
    • 発表場所
      京都市先斗町歌舞練場
    • 年月日
      2008-07-04
  • [図書] Cell Fusion2008

    • 著者名/発表者名
      Inoue, N.
    • 総ページ数
      335-345
    • 出版者
      Humana Press

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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