カビMortierella alpina 1S-4は、生体内で有用なアラキドン酸などの脂肪酸を多く蓄積する。本研究では、より多くのこれら有用脂質を生産するために、このカビを用いた遺伝子技術の開発、有用脂質の生合成経路の解明を行った。また、このカビは、コレステロールと構造が似ているデスモステロールを多く蓄積する。デスモステロールは天然では珍しいステロールであるが、生体内での役割は不明な点が多い。そこで、このカビを用いてデスモステロールの安定供給を目指した。これらの研究成果は、微生物の脂質生産に直結するだけでなく、微生物の脂質代謝機構を解明する上でも重要だと考えられる。
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