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2007 年度 実績報告書

ポリフェノール類の機能性と安全性評価のための標的分子の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19688007
研究機関徳島大学

研究代表者

河合 慶親  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50380027)

キーワードポリフェノール / 抗酸化物質 / 酸化ストレス / 動脈硬化症 / モノクローナル抗体 / 標的分子 / フラボノイド / マクロファージ
研究概要

本年度は、食品中に幅広く含まれるポリフェノールであるケルセチンの抗動脈硬化作用機構に着目し、その生体内動態と作用機構との関係を明らかにすることを目的とした。まず、ケルセチンのヒト血中主要代謝物であるケルセチン3グルクロン酸抱合体(Q3GA)を認識する特異モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検出法を確立し、ケルセチン代謝物の体内動態の解析が可能となった。本法をヒト大動脈組織切片へ応用することにより、Q3GAがヒト動脈硬化病巣において泡沫化マクロファージに特異的に存在する事実を見出した。これにより、これまで生体内において不明であった食品ポリフェノールの標的部位の一つが活性化マクロファージであることが示唆された。そこで、Q3GAによる抗動脈硬化作用を明らかにするため、培養マクロファージ細胞RAW264を用いた検討を試みたところ、Q3GAは動脈硬化病巣形成に必須な分子であるマクロファージスカベンジャー受容体の一つ(SR-A)の遺伝子発現を顕著に抑制することが明らかとなった。さらに、Q3GAによるこの抑制作用にはβグルクロニダーゼやメチル化酵素COMTなどマクロファージに特徴的な酵素活性によるQ3GAの活性化が必要であることが示された。よって、元来外来異物として解毒代謝・不活性化されると考えられてきたポリフェノールが生体内でその活性を発揮するための新たな分子機構が示唆された。今回検討を行ったSR-A以外にもQ3GAの標的遺伝子は存在すると考えられるため、次年度においてはマイクロアレイによる網羅解析を含めた検討が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Macrophage as a target of quercetin glucuronides in human atherosclerotic arteries:implication in the anti-atherosclerotic mechanism of dietary flavonoids2008

    • 著者名/発表者名
      Kawai, Y., et. al.
    • 雑誌名

      The Journal of Biological Chemistry 283

      ページ: 9424-9434

    • 査読あり
  • [学会発表] 脱抱合を介したケルセチン抱合体の活性発現機構2008

    • 著者名/発表者名
      河合慶親ら
    • 学会等名
      日本農芸化学会2008年度大会
    • 発表場所
      名城大学天白キャンパス(名古屋)
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] Immunochemical characterization of flavonoid metabolites in aorta:implication in the anti-atherosclerotic effect2007

    • 著者名/発表者名
      河合慶親
    • 学会等名
      3 rd International Conference on Polyphenol and Health(ICPH)
    • 発表場所
      京都国際会館(京都)
    • 年月日
      2007-11-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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