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2009 年度 実績報告書

猫伝染性腹膜炎ウイルスの感染機序の解明とそれを標的とした抗ウイルス療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19688015
研究機関鹿児島大学

研究代表者

遠藤 泰之  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (90332600)

キーワード猫伝染性腹膜炎 / ウベニメクス / 抗ウイルス活性
研究概要

猫コロナウイルス(FCoV)には、猫伝染性腹膜炎(FIP)を引き起こすFIPウイルス(FIPV)と、ごく軽度の腸炎しか起こさない猫腸内コロナウイルス(FECV)がある。FCoV感染症に対する原因療法は確立されていないが、近年FCoVのレセプターがアミノペプチターゼN(APN)であることが明らかにされたことから、APN阻害剤であるウベニメクスに着目し、平成18年度よりこれに関する基礎的検討(萌芽研究課題番号18658127)を行ってきた。その結果、ウベニメクスの細胞毒性は極めて低く、またI型FIPVを接種した細胞ではウイルス増殖の抑制は認められなかったが、II型FIPVを接種した細胞においては、ウベニメクスの濃度依存性にウイルス増殖抑制効果が認められることを確認した。この結果をさらに発展させるために本研究計画では、ウベニメクスの猫に対する治療薬としての可能性を探るin vivoでの基礎的検討を行うと共に、FIPVと宿主細胞との接着に関わる詳細な機序の解析を計画した。その結果、in vitroで確認された抗ウイルス活性を示すウベニメクスの濃度が、猫へのウベニメクスの経口投与により副作用の発現なく再現できることが明らかとなり、実際にウベニメクスを治療薬として用いることができる可能性を示した。またこのウベニメクスは、II型FIPVにのみ作用する可能性も示唆されたため、猫におけるコロナウイルスの保有状況を調査したところ、70~80%の猫がI型あるいはII型のコロナウイルスを保有していることが明らかとなった。これらの知見については現在論文執筆中である。ウイルス蛋白とレセプターの相互作用、ならびにウベニメクスの作用点を明らかにすべく、I型あるいはII型FIPVのS蛋白を発現する細胞株を作出することを平成21年度も試みてきたが、こちらは年度内に作出できなかった。本課題については継続して検討する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A case report : a dog with acute onset of Hepatozoon canis infection.2009

    • 著者名/発表者名
      Sakuma, M., Nakahara, Y., Suzuki, H., Uchimura, M., Sekiya, Z., Setoguchi, A., Endo, Y.
    • 雑誌名

      J Vet Med Sci 71

      ページ: 835-838

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Possible emergence of drug-resistant variants of Babesia gibsoni in clinical cases treated with atovaquone and azithromycin.2009

    • 著者名/発表者名
      Sakuma, M., Setoguchi, A., Endo, Y.
    • 雑誌名

      J Vet Intern Med 23

      ページ: 493-498

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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