研究課題
平成19年度は、メタノール資化性酵母を用いて大量生産したセロビオース脱水素酵素(CDH)を用いてセルラーゼ活性をリアルタイムに測定することを試みた。はじめに、フェリシアン化カリウムを電子受容体として用いた間接法によって、酸化還元電極を用いてセルラーゼ活性をリアルタイムに測定し、セルロースIとセルロースIII_1の結晶構造の違いに起因する分解性の差を電極を用いたリアルタイム測定で確認した。本成果は第57回日本木材学会大会(広島)で発表した。さらに担子菌Phanerochaete chrysosporium由来の菌体外アルドース1-エピメラーゼ(AIE)二種類をコードするcDNAをクローニングし、大量発現させるとともに、セロビオースの還元末端をムタロテーションできる酵素(A1EA)を組み合わせた系によって、立体反転型のセルラーゼ活性を測定することに成功した。本成果は第57回日本木材学会大会(つくば)で発表した。また、同菌より糖質加水分解酵素ファミリー45に属する新規エンドグルカナーゼをコードする遺伝子をクローニングし、その大量発現系の構築にも成功した。本成果はApplied and Environmental Microbiologyに現在投稿中である。さらに、子嚢菌Trichoderma reesei由来セロビオヒドロラーゼ(Cel7A)が高結晶性セルロースを分解する様子を、高速原子間力顕微鏡(Fast-scan Atomic Force Microscopy)によってリアルタイムに観察することに成功し、本酵素が結晶性セルロース表面で動く映像を撮影することに世界で初めて成功した。その成果を日本農芸化学会2008年度大会シンポジウムにて発表した。
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