研究課題
本研究では、申請者らが提唱した「核内受容体活性制御仮説」に基づき、本作業仮説の実験的検証と、それに基づく新規核内受容体リガンドを創製することにより、核内受容体を標的とした医薬リード創製を行うことを目的とする。本年度は以下の成果を得た。1)これまでにみいだしたプロゲステロンアンタゴニスト活性を有するクマリン誘導体について、詳細な構造活性相関を解明した。また、溶媒依存的に蛍光特性が変わるプロゲステロン受容体リガンドをみいだし、その化合物が受容体結合に伴って蛍光強度が変化することを明らかとした。これらの結果はクマリン誘導体がプロゲステロンの詳細な作用機序解明もしくはリガンド探索のスクリーニングのための蛍光性ツールとして有用であることを示している。2)ビタミンD活性を有するリトコール酸をリード化合物として新規ビタミンD誘導体の創製を行った。リトコール酸とVDRの結合様式の解析から、特に、リトコール酸の3位置換基の効果を明らかとした。3)これまでに見いだしたカルボラン含有ビタミンD誘導体とVDRとの共結晶のX線構造解析で得た構造情報を元に新規化合物を設計した。ヒト白血病細胞HL-60に対する分化誘導活性を指標に生物活性を評価したところ、天然アゴニストと同等の高活性な誘導体の創製に成功した。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (14件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)
Macromolecules 42
ページ: 3849-3851
J.Org.Chem. 74
ページ: 8154-8163
J.Synth.Org.Chem., Jpn 67
ページ: 1240-1249