研究概要 |
Rest/NRSFは神経発生過程に重要な役割を果たすことが示唆されている。近年Restは癌抑制遺伝子としての機能も示唆されている。しかしながら,その詳細な機能解析については,未知な部分が多い。本年度は,Restコンディショナルノックアウトマウスを作製し,その解析を行った。Rest遺伝子不活化は,ドキシサイクリン誘導creを用いて行った。まずは,4週齢コンディショナルノックアウトマウスにドキシサイクリンを投与し,消化管や肝臓,脾臓などにおけるRest遺伝子のdeletionをサザンプロッティングにより確認した。Rest遺伝子は多くの臓器でdeletionされることが確認されたにも関わらず,マウスには明らかなphenotypeは確認されていない。現在,胎生期での不活性化や長期間にわたる影響を検討中である。最近Rest遺伝子がES細胞の未分化性維持における役割が報告された。我々もRest KO ES細胞を樹立した。Rest KO ES細胞の分化能についても今後検討する予定である。 Canonical Wnt pathwayは多くの発生段階,発がん過程に重要な役割を果たすことが知られている。申請者らはcanonical Wnt pathwayの重要な構成成分であるbeta-cateninの誘導マウスを作製した。大腸上皮の分化,発がんに着目し,beta-cateninの役割について検索中である。その中で,beta-cateninの幹細胞における役割と細胞増殖における役割を明らかにしたい。
|