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2007 年度 実績報告書

正常並びに病態時における小腸及び腎薬物トランスポータの転写制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19689013
研究機関京都大学

研究代表者

寺田 智祐  京都大学, 医学研究科, 副薬剤部長 (10324641)

キーワード薬物トランスポータ / 転写制御 / 小腸 / 腎臓 / 生活習慣病 / プロモーター解析 / シスエレメント / トランス因子
研究概要

1)腎薬物トランスポータの発現機構の解明
有機カチオントランスポータ(OCT2)、有機アニオントランスポータ(OAT1)、H+/有機カチオンアンチポータ(MATE1)のプロモーター解析を行い、それぞれの転写制御機構を明らかにした。以下に同定したトランス因子(シスエレメント)を示す。OCT2:USF1(E-box)、OAT1:HNF4α(DR-2, IR-8)、MATE1:Sp1(GC-box)。またヒトMATE1のGC-boxに、その転写活性を低下させる一塩基多型(-32G>A)が存在することを同定した。さらにヒトOCT2が腎臓特異的に発現している点にepigeneticな観点から検討を加え、E-boxのCpG配列が腎臓では低メチル化状態であり、転写因子が結合し機能していることが、一部関与していることを明らかにした。
2)病態モデル動物を用いた薬物トランスポータの発現解析
胆汁うっ滞のモデル動物であるEHBRを用いて、小腸並びに腎薬物トランスポータの発現変動を調べた。その結果、腎臓の近位尿細管上皮細胞の側底膜に発現するOAT3の発現が上昇することを見出した。OAT3はタンパクレベルでのみ、発現上昇が認められた。EHBRでは、血中に加えて尿中でも胆汁酸が上昇しており、OAT3は胆汁酸の尿細管分泌を媒介している可能性が示唆された。そこで、ヒト並びにラットのOAT1とOAT3発現細胞を用いて、胆汁酸の輸送実験を試みたところ、OAT3のみ胆汁酸を輸送した。さらに、EHBRでは、OAT3の典型的基質であるセフォチアムの腎排泄が遅延することが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Kidney-specific expression of human organic cation transporter2 (OCT2/SLC22A2) is regulated by DNA methylation2008

    • 著者名/発表者名
      Aoki M, et al
    • 雑誌名

      Am. J. Physiol. Renal Physiol. 295

      ページ: F165-F170

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Adaptive responses of renal organic anion transporter 3 (OAT3) during cholestasis2008

    • 著者名/発表者名
      Chen J, et al
    • 雑誌名

      Am. J. Physiol. Renal Physiol. 295

      ページ: F247-F252

    • 査読あり
  • [学会発表] Pathophysiological roles of renal organic anion transporter 3 (OAT3) in the cholestasis2008

    • 著者名/発表者名
      Terada T, et al.
    • 学会等名
      2nd Asian Pacific Regional ISSX Meeting
    • 発表場所
      Fudan University,上海
    • 年月日
      2008-05-13
  • [学会発表] 小腸及び腎薬物トランスポータの基礎と臨床2007

    • 著者名/発表者名
      寺田智祐、乾 賢一
    • 学会等名
      第一回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
    • 発表場所
      日本薬学会長井記念館
    • 年月日
      2007-12-16

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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