研究概要 |
平成20年度には本研究に関して臨床研究と基確研究を施行した。 臨床研究では、非小細胞肺癌化学療法に関する以下の三つの多施設無作為化臨床試験を開始した。(1) 未治療進行非小細胞肺癌患者におけるPaclitaxelとCarboplatinに対するニトログリセリン併用/非併用療法に関す多施設無作為化第II相比較臨床試験、(2) 3rdライン班治療非小細胞肺癌症例に対する塩酔アムルビシン・ニトログリセワン併用療法の第II相単群臨床試験、(3) 高齢者未治療病期第III B/IV期,非小細胞肺癌症例に対するニトログリセリン・ドセタキセルの単群第II相臨床試験(TUTRCDC003)を開始した。 多施設臨床試験研究グループを組織し、(1) は臨床研究情報センター(TRI)、(2) は京都大学探索医療センター検証部、(3) 東北大学未来医工学治療開発センター検証・情報管理部門にデータセンターを設置した。臨床試験参加各施設における倫理委員会承認、臨床試験開始煎事前試験登録(NCT00616031、UMIN000000813、UMIN000001820)を行い、症例登録を進めている。更に(1)においては、Electronic DataCapturing SystemをTRIと共同開発し、全国多施設から24時間体制で症例登録、治療群無作為化割り付け、CRF登録をインターネットで行うことを可能とした。平成21年度においては、定期的に研究施設代表者による臨床試験推進委員会を開催し、臨床試験推進を図る。 基礎研究では、マウス担癌モデルマウスを作製し、ニトログリセリン併用化学療法の効果と作用機序解明を推進した。一酸化窒素がin vivo腫瘍組織内の腫瘍微小循環を促進し、腫瘍内低酸素領域を減少させ、低酸素誘導因子, P-糖蛋白, VEGF, P-Akt, P-CREBの抑制を介して抗癌剤の感受性を改善することを確認した。
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